眠りとヒラメキ


ロハス・メディカル
2011年4月号


睡眠のリテラシーより

起きている時に、脳はたくさんの情報を取り入れ、処理し、適切な行動につなげています。こうした複雑な動きは、目覚めていても意識されないままに行われています。


明日からの活動をさらに良くするには、今日学んだこと、また昨日までに学んだことをできる限り生かせるよう、準備しなければなりません。脳の中で、このような大事な作業は眠っている間に行われていることが分かってきました。つまり睡眠には、当日の疲れを回復すると共に、脳の状態を改善するというもっと積極的な働きがあります。


今から約30年前、レム睡眠について魅力的な説が発表されました。「起きている時は色々な情報が脳に入るけれども、その中から大事なものとそうでないものとをレム睡眠の時に仕分けている」という主張です。"ゴミ"のような情報を捨て去り、意味のある情報、刺激、経験だけを残すように整理できれば、たしかに翌日は頭が冴えるでしょう。


対して、これまでの研究によれば、深いノンレム睡眠は昼間に受けた情報を脳に刻み込み、ずっと覚えておくという能力に関係していると考えられています。例えば、不眠症になって深いノンレム睡眠が少なくなると、こうした記憶の能力が低下します。


睡眠をしっかりとると、記憶に望ましい効果があるだけでなく、いわゆる"ひらめき"効果も高まるようです。


ある隠されたルールに気づけば簡単に解ける問題を使った実験では、問題を練習した後に睡眠をとった場合、眠らずに起きていた場合に比べて、その隠されたルールに気づく人の割合は3倍くらい多いことが分かりました。つまり"ピンとくる"人が増えたわけです。


今はアイデアや付加価値の時代です。面白い発想をもって商品開発ができれば、爆発的なヒットが生まれる可能性があります。そのためには、よく眠ることが基本的かつ最大の条件かもしれません。 




 高橋正也・労働安全衛生研究所作業条件適応研究グループ上席研究員執筆の記事に基づいています。


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【ロハス・メディカル編集部】




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