感動の一皿
 日本酒居酒屋編(前編)


2013年3月


 


同じ銘柄なのに、店によって酒の味わいが違って感じられるのはなぜか?温度なのか、料理なのか。はたまた酒器の違いなのか……。
疑問を突きつめていくと、一つの答えに辿り着いた。
一番大切なのは“誰が提供するか”なのだと。
造り手に思いを馳せ、その酒をおいしく飲ませたいと心血を注ぐ。
そんな店主だから語れる酒の魅力、醸し出せる居酒屋の世界にご案内!


 


「而今」を飲むならこの店へ!


稲水器 あまてらす(東京・池袋) 


 店主の古賀哲郎さんは「日本で一番、而今を売る店になる」と決めている。造り手の情熱や人柄に惚れ込み、どんなときも共にする一生の相棒として而今を選んだのだ。


「酒質だけではなく、而今=大西唯克杜氏だからこそずっと付き合おうと決めた。どのような状態でもおいしく飲めるように提供するのが僕の役目です。甘味が強すぎたらそれをフォローすればいいし、バランスが悪かったらない味を料理で足せばいい。日本酒は造り手のコンディションが味に出るからこそ面白い」 


而今はハッと目が覚めるような甘さが魅力。後から続く酸味や苦味など、さまざまな味わいも兼ね備えている。料理は酒質の良さを伸ばしたり補充したりするためにある、と古賀さんの言葉に力がこもる。 


菜の花と苺の白和えと合わせれば、野菜の青青とした香りが口中に広がり、いちごの酸味が而今の甘さを引き締める。これからの時季は旬の鯛や筍を使った料理と新酒のように季節が同じものが合う、と教えてくれた。 


同じ銘柄でも種類によって手を替え品を替え、絵合わせのように食中酒として楽しむ。「常にベストの状態で出す自信があります」 この主人ほど而今を知り尽くした者はいない。



左が、純米吟醸 千本錦火入れ。
純米吟醸 山田錦無濾過生はキリリとした酸味が持ち味。ともにグラス500円。



店主の古賀哲郎さん。大塚の「銘酒処 串駒」で修業を積み、2011年に当店をオープン。
而今は常時4~10種ほど。ほかには東洋美人、秋鹿、小左衛門などを取り揃える。



全24席の店内。男性のみならず女性客も多く集う。


 


稲水器 あまてらす
東京都豊島区東池袋2-62-10 池袋5thビル1階
03-6912-9191 
営/18:00~24:00、金・土曜、祝前日は翌3:00
休/不定休(要問い合わせ) 
カード/不可
JR・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」より10分。


<クレジット>文 山内聖子 撮影 飯田安国


 


 


<2013年3月号>




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