おいしい、楽しい、あったまる
観光列車へようこそ


2015年2月


《レストラン列車》
レストラン・キハ
いすみ鉄道 【千葉】

 


伊勢エビ、アワビ、サザエ、アジ……
レトロ車両を房総の幸がにぎわす




 
「キハ」「モハ」「クモハ」……。


暗号のようだが、鉄道好きなら知っている。車両の種別を示す記号だ。「キハ」の「キ」は気動車(ディーゼルカー)、「ハ」は普通車の意味。「モハ」はモーターを備えた(電気で動く)普通車だ。それに運転台を備えていると、「ク」が付いて「クモハ」となる。グリーン車なら「ロ」が付いて「モロ」など……。それを知った少年時代、列車に乗るたび、車体側面などに示されたこの記号を確認したものだ。  


房総半島を横断するいすみ鉄道のグルメ列車は、その名も「レストラン・キハ」。昭和の国鉄時代に造られたキハ28、そう、気動車の普通車を改装した車内で、ゆっくり食事が楽しめるという列車だ。運行は土・日曜、祝日に1便のみで、土曜はイタリアン、日曜は刺し身のコースとなる。房総といえば伊勢エビの漁獲量日本一。めったに味わえない伊勢エビの刺し身がメーンと聞いて、日曜の朝、いすみ鉄道へ向かった。 


キハの乗車駅は、大多喜(おおたき)駅。大原-上総(かずさ)中野駅間、27㌔を結ぶいすみ鉄道の、ほぼ中間地点だ。11時20分過ぎ、のどかなホームに、レストラン・キハが入線した。2両編成のうち1両がレストラン車で、他方は一般車両。レストラン車はほぼ満席という人気ぶりだ。とはいっても定員は30人ほどなので、ホームのにぎわいはすぐに引く。11時38分、列車は上総中野駅に向けて出発した。


車内はボックス席がメーン。2人が並んで座り、対面にテーブルが設えてある。すでに2段重ねの箱盛が配膳されていて、ふたを開けるとアワビの柔らか煮、伊勢エビの鬼殻焼きなど豪華な料理が現れ、早くも気分が高揚する。ほどなく真打登場。大きなお造り盛り合わせを、スタッフが両手でかかえて運んできた。 




殻ごと盛られた伊勢エビは一人一尾。これをサザエ、マグロ、カンパチ、アジ、房総名物のなめろうなどが囲み、あちこちから歓声が上がる。どれからいただこう、伊勢エビは最初か最後か?行儀が悪いと思いつつも迷い箸(ばし)。残念ながら、車窓は記憶にない。  


20分ほどで上総中野駅に到着。思いのほか揺れを感じたのは、2本まで選べるお酒が効いたのか(ソフトドリンクも選択可)。ここで茶碗蒸しが出て、列車は大多喜駅方面へ折り返す。




お造りもあらかた平らげ、そろそろご飯がほしいと思う頃、大多喜駅に到着。タコ飯と吸い物が運ばれてきた。列車は、今度は大原駅へ向かって出発。タコ飯はダシが染みていて、タコの歯ごたえが心地いい。吸い物はイワシのツミレ汁。ふたを開けるとイワシの香ばしさが立ち上った。  


運行区間
大多喜~上総中野~大原


時刻
大多喜  11:38    12:14
大多喜  12:47
国吉   13:09
大原   13:25
※途中駅からの参加は不可


運行日
土・日曜、祝日


料金
刺し身コース◎2人1組2万2000円
イタリアンコース◎1人1万2000円


予約方法
インターネットで乗車日の3日前15時まで受付


問い合わせ
いすみ鉄道  0470・82・2161


<2015年3月号>

↑旅行読売出版社のHPは上記表紙画像をクリック!


【旅行読売 編集部】




JOGIN 旅行読売の記事をもっと読む! 

JOGIN Travel chの記事をもっと読む!