感動の一皿<亀戸>
 ビストロ編1


2014年1月


キャベツの塩漬けから始まる
熱き心に、アルザス愛
ジョンティ(東京・浅草橋) 


浅草箸の町並みに、ひときわレトロ感を漂わせる木造家屋は、なんと築80年。第二次世界大戦の空襲をも免れて、大事に守られてきた。 


アルザスをこよなく愛するオーナーの富田裕之さんは、ここに店を構えて5年になる。現地さながらの旨い料理とワインが楽しめる店として、大人気のビストロだ。 


シュークルートは、アルザス料理の大定番。料理名でもあるが、そもそもは中に入れるキャベツの塩漬けのことを指す。発酵による酸味の効いたキャベツと一緒に、塩漬けの豚すね肉やベーコン、ソーセージとじゃがいもを豚のスープで煮込んだ料理。素朴な外見ながら、一つ一つに、実にたくさんの手間と時間がかけられている。 


キャベツや塩豚の熟れた香り、脂の甘い香り、ホカホカの湯気。テーブルに運ばれてくるだけで、幸せな気分になる。コトコトと煮込むうちに、それぞれの旨味や塩気が鍋全体に行き渡り、なじみ、まあるく優しい味わいとなって完成する。山に囲まれ、冬の寒さが厳しい土地で、体を温め、栄養を摂るために愛されてきた一皿を、アルザスワインとともに味わえば、心までゆるゆるとほぐれてしまう。滋味とは、まさにこのことかもしれない。



白ワインで一晩マリネした肉と野菜を鍋に入れて蓋をし、パン生地で密閉して蒸し焼きにするベッコフも、アルザスを代表する料理。2310円。



シュークルートは自家製。せん切りキャベツに塩とクローブ、ねずの実、クミン、ローリエを加えて常温で1週間ほど発酵させる。今の時季は冬キャベツ、夏から秋口は白キャベツを使用している。



 


ジョンティ
●東京都台東区浅草橋2-5-3
03-5829-9971
営/11:30~14:00(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)、土日祝は12:00~15:00(L.O.)、18:00~21:30(L.O.)
休/水曜 12月31日~1月4日
カード/可 
●テーブル28席。ワインはほぼアルザス産で100種以上。グラスワイン683円~。ボトル3780円~。要予約。禁煙。JR・都営浅草線「浅草橋駅」より3分。


<クレジット> 文  鹿野真砂美  撮影  浜村多恵


<2014年1月号>


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